Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

ぞくしゅう

俗臭

織田 作之助

Lee 俗臭 (ぞくしゅう) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 34.630 caracteres · 70 pantallas

Aozora Bunko

せめて別れるなら、汽車の中だけででもゆっくり名残りを惜しみたいという賀来子の希望をどうして空しく出来たろうかと、船司は弁解し、児子家の人が出迎えなかったのがもっけの倖いだ、無論このことは児子家に内密にと、伝三郎に念を押した。頼まれては、いやといえぬ性質だったから、伝三郎は承諾した。それはよかったが、彼には、今こゝで思い掛けなく別れの愁歎場を見なければならぬのが辛かった。別れを告げるのに一時間も掛り、千恵造は一先ず伝三郎の家へ行った。賀来子の行先きに就ては、訊ねるべき筋合のものではなかった。船司は堅い表情のまゝ、児子家へ行った。

千恵造ほどの幸福者があろうかと、兄弟等は思う。再び新しい妻を迎えることに成ったからだ。内地へ帰ってから一月も経たぬ内に話が起った。早く嫁を貰ってやらぬと、又何を仕出かすか分らぬという訳である。千恵造は貰うともいわず、貰わぬともいわず、例の煮え切らぬ調子だったが、見合用の写真を見るに及んで、些か食指が動いた様である。小唄歌いの市丸にそっくりの年増美人だと、三亀雄などは気が気でなかった。見合の結果、女の方が断った。人々は、その様な美人が何で千恵造の様なはき/\せぬ男を好こうかといった。