Clásicos japoneses con furigana
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ぼうじんのげん
傍人の言
豊島 与志雄
Lee 傍人の言 (ぼうじんのげん) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 3728 caracteres · 8 pantallas
光や色はその次の問題だ。ヴォリュームを取失った洋画は、まずだめなものだ。
「ヴォリュームにじかに迫ってゆくということ、それを文学者がもっと真面目に考えてみないのを、僕は不思議に思うね。少くとも、自然主義に毒されたリアリズムの、本当の進路は、そこにあるんじゃないか。勿論、現実を無視するんならそれまでだけれど……。」
これは、分る人にははっきり分るだろうし、分らない人にはさっぱり分らないだろうところの、謎みたいな論だ。が彼にとっては、如何にもはっきりしてるらしい。思想とか形式とか表現の技巧とかいうようなものは、光や色であって、実体は――現実は、ただヴォリュームだというのである。そして、ヴォリュームにじかに迫ってゆくこと、それを把握しようとするあらゆる努力、それこそ仕事の本質であって、その本質を取失う時には、凡てのことが一種のポーズとなる。
……かも知れない、と私も思う。然しそんな初歩の素朴な議論は、吾々はとうの昔に通りすぎている。それから先のことが当面の問題である。
それなら仕合せだ、と彼は云うのである。ところが実際に於いては、往々、通りすぎることが取失うことになる。