Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

きずあとのはいけい

傷痕の背景

豊島 与志雄

Lee 傷痕の背景 (きずあとのはいけい) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 19.022 caracteres · 38 pantallas

Aozora Bunko

流言浮説は深刻の頂上に達していた。自戒団や避難民で街路は湧き立っている。……が、その間に、まだ電燈のともらない裏通りなどに、変に薄暗い、人気の少い穴みたいなところがある。そんなところが最も危険だ。特に、広い墓地を控えた寺の入口など……。その或る寺の入口に、石の仏像が一つあった。すると、三日の夜、誰かが、気転を利かして、在郷軍人の、軍服の上衣と帽子を、その石の像にかぶせた。そして、軍服をきた石の像が、四日をすぎて、五日の朝まで、そのままつっ立っていた……。畑の中の案山子なんかより、もっと有効に……。

「ばかな!」

有吉が一喝した。

その時になって、話のおかしな感銘を一同は感じたらしかった。それが、杉本の口を噤ました。

「愚弄するのか……。」

「…………」

杉本は腑に落ちない顔付で、ぼんやり立上った。その腕を、有吉は掴んだ。

「案山子とは何だ、案山子とは……。」

「然し、街路樹よりも……。」

杉本は突き飛されたのを感じた。それをふみこたえた瞬間、顔の前に、大きな挙が突出された。

「こい!」

酔っていた。何のことかよく分らなかった……誰にも。好奇の色を帯びた真剣な眼が、幾つも光った。