Clásicos japoneses con furigana
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
Lee 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 160.664 caracteres · 323 pantallas
しかし途中で遮られた。
水狐族の群が杉右衛門を目掛け、あべこべにドッと押し寄せて行った。これも途中で遮られた。
火事は容易に消えなかった。空は益※(二の字点、1-2-22)赤くなった。
火事を眺める群集と、格闘を眺める群集とで、往来は人で一杯になった。
死骸がゴロゴロ転がった。流された血で道が辷った。その血へ火の光が反射した。
ワーッ、ワーッ、という鬨の声!
その時見物が叫び出した。
「それお役人のご出張だ!」
御用提灯が幾十となく、京橋の方から飛んで来た。八丁堀の同心衆が、岡っ引や下っ引を連れて、この時走って来たのであった。
瞬間に格闘は終りを告げた。
窩人も水狐族も死骸を担ぎ、八方に姿を隠してしまった。
しかし二種族の憎悪と復讐心は、決して終りを告げたのではなかった。明治大正の今日に至っても尚二種族は田舎に都会に、あらゆる複雑の組織の下に、復讐し合っているのであった。
旅籠へ帰って来た北山は、むさくるしい部屋にムズと坐り、何かじっと考え込んだ。
やおら立ち上がって襖を開けた。押し入れに薬棚が作られてあった。非常な大きな薬棚で、無数の薬壺が置かれてあった。