Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ばけいちょう

化銀杏

泉 鏡花

Lee 化銀杏 (ばけいちょう) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 27.197 caracteres · 54 pantallas

Aozora Bunko

「お前、このごろから茶を断ッたな。」

「いえ、何も貴下、そんなことを。」

と幽かにいいて胸を圧えぬ。

時彦は頤のあたりまで、夜着の襟深く、仰向に枕して、眼細く天井を仰ぎながら、

「塩断もしてるようだ。一昨日あたりから飯も食べないが、一体どういう了簡じゃ。」

(貴下を直したいために)といわんは、渠の良心の許さざりけむ、差俯向きてお貞は黙しぬ。

「あかりが暗い、掻立てるが可い。お前が酷く瘠せッこけて、そうしょんぼりとしてる処は、どう見ても幽霊のようじゃ、行燈が暗いせいだろう。な。」

「はい。」

お貞は、深夜幽霊の名を聞きて、ちりけもとより寒さを感じつ。身震いしながら、少しく居寄りて、燈心の火を掻立てたり。

「そんなに身体を弱らせてどうしようという了簡なんか。うむ、お貞。」

根深く問うに包みおおせず、お貞はいとも小さき声にて、

「よく御存じでございます。」

「むむ、お前のすることは一々吾ゃ知っとるぞ。」

「え。」

とお貞はずり退りぬ。

「茶断、塩断までしてくれるのに、吾はなぜ早く死なんのかな。」

お貞は聞きて興覚顔なり。

時彦の語気は落着けり。

「疾く死ねば可いと思うておって、なぜそんな真似をするんだな。