Clásicos japoneses con furigana
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じゅうにしこう
十二支考(下)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lee 十二支考(下)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) de 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 251.906 caracteres · 495 pantallas
竜神に男子の早世多きも何かその理由あり。決して比丘尼の詛いに由らぬはもちろんながら、この辺、昔の熊野街道で色々土人が旅客を困らせた事あったらしく、西鶴の『本朝二十不孝』巻二「旅行の暮の僧にて候、熊野に娘優しき草の屋」の一章など、小説ながら当時しばしば聞き及んだ事実に拠ったのだろう。その譚にも竜神の伝説同様、旅僧が小判多く持ったとばかり言うて、金作りの鶏と言わず、熊野の咄しは東北国のより新しく作られ、その頃既に金製の鶏を宝とする風なかったものか。この竜神の伝説を『現代』へ投じた後数日、『大阪毎日』紙を見ると、その大正九年十二月二十三日分に、竜神の豪家竜神家の嗣子が病名さえ分らぬ煩いで困りおる内、その夫人に催眠術を掛けると俄に「私は甲州の者で、百二十年前夫に死に別れ、悲しさの余り比丘尼になり、世の中に亡夫に似た人はないかと巡礼中、この家に来り泊り、探る内、私の持った大判小判に目がくれ、竜神より上山路村を東へ越す捷径、センブ越えを越す途上、私は途中で殺され、面皮を剥いで谷へ投げられ、金は全部取られた。その怨みでこの家へ祟るのである」と血相変えて述べおわって覚めたと出た。