Clásicos japoneses con furigana
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ちくまがわのスケッチ
千曲川のスケッチ
島崎 藤村
Lee 千曲川のスケッチ (ちくまがわのスケッチ) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 81.668 caracteres · 164 pantallas
「一俵掛けて見やしょう」
「いくらありやす。出放題あるわ。十八貫八百――」
「これは魂消た」
「十八貫八百あれば、まあ好い籾です」
「俵にもある」
「そうです、俵にもありやすが、それは知れたもんです」
「おらがとこは十八貫あれば可いだ」
「なにしろ坊主九分混りという籾ですからなア」
人々の間にこんな話が交換された。水車小屋の亭主は地主に向って、米価のことを話し合って、やがて下駄穿のまま籾の上を越して別れて行った。
「どうだいお前の体格じゃ二俵位は大丈夫担げる」
と地主に言われて辰さんの弟は一俵ずつ両手に抱え、顔を真紅にして持ち上げてみたりなぞして戯れた。
「まあ、お茶一つお上り」
と辰さんは地主に言って、私にもそれを勧めた。真綿帽子を脱いで屋の内に入る地主の後に随いて、私も凍えた身体を暖めに行った。「六俵の二斗五升取りですか」
こう辰さんが言ったのを隠居は炬燵にあたりながら聞咎めた。地主の前に酒徳利の包を解きながら、
「二斗五升ってことが有るもんか。四斗五升よ」
「四斗……」と地主は口籠る。
「四斗五升じゃないや。四斗七升サ。そうだ――」と復た隠居が言った。
「四斗七升?」