Clásicos japoneses con furigana
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なんぼく
南北
横光 利一
Lee 南北 (なんぼく) de 横光 利一 (よこみつりいち) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 19.591 caracteres · 40 pantallas
と勘次は急に今までと全く違った愛情を安次に対して感じ出した。
「安次、今晩は御馳走を食わそうか、よう?」
「いいや、もう結構や。」
「風呂が沸いてるぞ、お前這入らんか?」
「あかんのじゃ、あいつに這入ると、やられるんじゃ。」
「そうかて、いつまでも這入らずにいられまいが。」
「何アに、もうお前かれこれ二タ月這入らんが。」
「二タ月よ?」
安次はまた三尺から紙幣を出すと近寄って来た勘次にそれを差し出した。
「お前これ持ってくれんかのう。二円五十銭あるのやが、何んぞの足しになるやろぜ。」
「自分で持ってりゃええやないか。」
「こんなもの、五月蠅うてしょうがないが。」
勘次は安次のう容子を見るとまた不快になった。そのまま内庭へ這入って行って叺を下ろすと、流し元にいたお霜が嶮しい顔をして彼の傍へ寄って来た。
「お前まアどうするつもりや、あんな者連れ込んで来てさ。」
「抛っておいたらええが。」
「抛っておけって、たちまちお前どこへ置くぞ。汚い! わしは知らんぞな。お前勝手に世話しやいせ。」
「ええが。」
「ええがも無いやないか。お前たちまちどこへ寝せるつもりや。食わす位ならまだ我慢もしよが、どんと寝附かれて動きもこじりも出来んようになったらどうするぞ!」