Clásicos japoneses con furigana
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なんぼくのとうかいどうよつやかいだん
南北の東海道四谷怪談
田中 貢太郎
Lee 南北の東海道四谷怪談 (なんぼくのとうかいどうよつやかいだん) de 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 16.555 caracteres · 34 pantallas
小平ははらはらしていた。
「どうぞ、おゆるしなされてくださりませ」
「ならん、たわけめ、素首を打ち落とす奴だが、薬を取りかえしたことだし、それに、昨日立てかえた金をかえせば、生命だけは助けてやるが、其のかわり汝の指を、一本一本折るからそう思え」
小平は身をふるわせた。
「旦那さま、お慈悲でござります、そればかりは、どうぞ」
長兵衛がついと出た。
「やかましい」と怒鳴りつけて、それから皆に、「さあ、猿轡をはめさっしゃい」
官蔵、伴助、宅悦の三人は、長兵衛に促されて手拭で小平に猿轡をはめ、まず鬢の毛を脱いた。其の時門口へお梅の乳母のお槇が、中間に酒樽と重詰を持たして来た。
「お頼み申しましょう」
伊右衛門はそれと見て、三人に云いつけて小平を壁厨へ投げこませ、そしらぬ顔をしてお槇を迎えた。
「さあ、どうか、これへこれへ。御近所におりながら、何時も御疎遠つかまつります、御主人にはおかわりなく」
「ありがとうござります、主人喜兵衛はじめ、後家弓とも、よろしく申しました。承わりますれば、御内室お岩さまが、お産がありましたとやら、お麁末でござりますが」
お槇はそこで贈物を前へ出した。