Clásicos japoneses con furigana
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たんどくこう
単独行
加藤 文太郎
Lee 単独行 (たんどくこう) de 加藤 文太郎 (かとうぶんたろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 112.799 caracteres · 222 pantallas
北側のコル零下二〇度 三・三〇―四・〇〇二五八八・四メートル峯の南のコル零下一〇度 七・〇〇樅沢岳 二・二〇槍肩
槍肩の西斜面は風がよく当るので、快晴の日でもあまり温度は昇らないらしく、雪は単に風成板状になっているだけで、東斜面のように凍ってはいなかった。今冬は冬と思われないほどよいお天気がつづいたので、日当りのよい斜面の雪はたいてい氷になっていた。おかげで槍の穂先の登攀は愉快だった。しかし正月頃に登った人のカット・ステップの跡が残っているのには少々興をそがれた。西鎌尾根には別に悪場と思われるようなところはなかったが、でこぼこが多く、尾根もあまり広くはないから、スキーを履いて歩くのは相当に困難だろうと思った。前樅沢岳という山は、横を巻く夏道が出ていたので帰りに通ってみたが、巻かずに尾根通り乗越した方がずっと安全だと思った。樅沢岳の頂上で荷物を置いて双六岳へ往復したが、帰りの樅沢岳への登りは案外時間を食った。やはりここは夏のように横を巻いて、笠ヶ岳へつづく尾根へ出た方がよいだろう。双六の小屋は、今年は雪の少ないためか、あるいは風の吹き廻しによるものか、遠目ながら大部分露出して見えた。