Clásicos japoneses con furigana
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こじじゅんれい
古寺巡礼
和辻 哲郎
Lee 古寺巡礼 (こじじゅんれい) de 和辻 哲郎 (わつじてつろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 143.765 caracteres · 285 pantallas
一つの時代にかくのごとき二つの世界があるということは、現在目前に多くの世界の分立を見ることのできるわれわれには、少しも驚くに当たらない。外来文化の咀嚼がほとんど『万葉集』のうちに認められないからと言って、天平時代の人々が外来文化を咀嚼しなかったと断ずるのは早計である。たとい少数の専門家のことに過ぎなかったとしても、仏教哲学の理解はすでにはじまっている。いわんやあの巨大な堂塔・仏像の造立は、一般の人心を刺戟せずにはいない社会的な出来事である。この大きい出来事が人心の奥底にまで沁み込まなかったとは考えられぬ。なるほど仏教芸術の製作や受用はシナの模倣であって日本人固有のやり方ではなかった。それに比べれば『万葉集』には日本人固有の感じ方が出ている。しかし西洋の様式を学んだ日本人の油絵が日本人の芸術であり、しかもある者は固有の日本画よりもよき芸術品たり得たごとく、唐風を模した日本人の仏像・寺塔もまた日本人の芸術であって『万葉集』の歌以上の価値を持っているということは言えないだろうか。固有の日本人の「創意」などにこだわる必要はない。天平の文化が外国人の共働によってできたとしても、その外国人がまたわれわれの祖先となった以上は、祖先の文化である点において変わりはない。