Clásicos japoneses con furigana
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こじじゅんれい
古寺巡礼
和辻 哲郎
Lee 古寺巡礼 (こじじゅんれい) de 和辻 哲郎 (わつじてつろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 143.765 caracteres · 285 pantallas
わたくしはあの偉大な聖観音の作者が誰であるかを空想して楽しんでいたのである。その作者はとにかく僧侶であった。ローマのトガに似た衣のよほどシナ風になったのを、無造作に裸形の上にはおって、半ばできかかった観音の原型の前に立っている。大きな澄んだ眼はアリアン種と蒙古種との混血児らしい美しさを持っているが、観音を見まもっているうちにはそれが隼のように鋭くなる。鼻は高いが、純粋なギリシア風ではない。表情の多い口は引きつったように閉じられている。やがて大きく息をついて、静かに腕組みを解き、腕に垂れた衣をまくり上げる。その腕はたくましいけれども白い。――
この製作は、『古流記』に従えば、孝徳帝の皇后間人の皇女が帝の追善のために企てられたものである。もしそれを信ずるとすれば、薬師三尊よりは三十年近く早いが、しかし最初の遣唐使より二十四五年ものちである。その四五年前には、法隆寺四天王の作者なる山口直大口が、――恐らく推古式の作者が、――詔を奉じて千仏像を刻んでいる。当時は止利が法隆寺の釈迦三尊を刻んだ時とわずかに二十年余を距つるのみで、その様式はなお盛んに行なわれていたと思われる。