Clásicos japoneses con furigana
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ふるむじな
古狢
泉 鏡花
Lee 古狢 (ふるむじな) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 19.891 caracteres · 40 pantallas
「でも、分らないのは、――新聞にも出ましたけれど、ちゃんと裾腰のたしなみはしてあるのに、衣ものは、肌まで通って、ぐっしょり、ずぶ濡れだったんですって。……水ごりでも取りましたか、それとも途中の小川へでも落ちたんでしょうか。」
「ああ、縁台が濡れる。」
と、お町の手を取って、位置を直して、慎重に言った。
「それにね、首……顔がないんです。あの、冷いほど、真白な、乳も、腰も、手足も残して。……微塵に轢かれたんでしょう。血の池で、白魚が湧いたように、お藻代さんの、顔だの、頬だのが。
堤防を離れた、電信のはりがねの上の、あの辺……崖の中途の椎の枝に、飛上った黒髪が――根をくるくると巻いて、倒に真黒な小蓑を掛けたようになって、それでも、優しい人ですから、すんなりと朝露に濡れていました。それでいて毛筋をつたわって、落ちる雫が下へ溜って、血だったそうです。」
「寒くなった。……出ようじゃないか。――ああ西日が当ると思ったら、向うの蕃椒か。慌てている。が雨は霽った。」
提灯なしに――二人は、歩行き出した。お町の顔の利くことは、いつの間にか、蓮根の中へ寄掛けて、傘が二本立掛けてあるのを振返って見たので知れる。