Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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こせんのなぞ

古銭の謎

野村 胡堂

Lee 古銭の謎 (こせんのなぞ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 12.885 caracteres · 26 pantallas

Aozora Bunko

この現代人離れのした風采で、小判と天保銭を卓の上へ投り出したのですから、店中の客は「ワッ」と声をあげて喜びました。いくら銀座でも、こんな奇抜な図は滅多に見られるものではありません。

「お立会の衆、笑ってはいけないよ、私は古銭研究会の幹事、南市太郎、雅号を愛銭堂老人という者じゃ、家へ帰ると金なんか馬に食わせるほどある、嘘だと思ったら、興信録を見なさい、こう見えたって百万長者だ、……百八十五円が何んだい……」

老人、何処まで発展するかわかりません。その時、

「御免下さい、甚だ失礼ですが……」

隣の卓で茶を飲んで居た中年配の立派な紳士、見るに見兼ねた様子で声をかけました。

「な、なんですかな」

老人はぬからぬ顔をそちらへ向けます。

「甚だ失礼ですが、そのお勘定を私に立てかえさして頂けませんでしょうか」

「そ、それはいかん、あなたは見ず知らずの方じゃ、南市太郎未だ人の恵みは受けん」

「決してそういうわけでは御座いません、何時でも、お序の節お返し下されば宜しいので」

「なるほど、あなたは、なかなか話がわかり相じゃ、宜しい、百八十五円、まさに拝借いたそう、抵当は天保銭が一枚、永楽銭が……」