Clásicos japoneses con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lee 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) de 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 241.558 caracteres · 480 pantallas
「ウフフフ。なんでえ、なんでえ。来てみればさほどでもなし富士の山っていうやつさ。とんだ板橋のご親類だよ。――のう、ねえや!」
しゅッしゅッと一本独鈷をしごき直して、ずっしりと蝋色鞘を握りしめると、静かに問いなじりました。
「正直にいわなくちゃいけねえぜ。この豆本も、おっかあがここへ隠したんだろうな」
「…………」
「え? だいじない。だいじない。しかりゃしねえから、隠さずにいわなくちゃいけないよ。のう! そうだろう。おっかあがしまっておいて行ったんだろうな」
「あい、あの、そうでござります、そうでござります。出かけるまえにいっしょうけんめいこのご本を習っておいて、だれにもいうなといっておいてから出かけましてござります」
「そんなことだろう。見りゃ押し入れに夜着もふとんもねえようだが、出かけるまえにそれを売っ払ってお金をこしらえてから行ったんじゃねえのかい」
「あい、そのとおりでござります。お宝ができたら、それでお米を買ってくださればいいと思いましたのに、しっかり帯の中にはさんで出ていかんした。それゆえ……それゆえ……」
「泣かいでもいい! 泣かいでもいい! もうおっかあの行く先ゃわかったから、心配せんでもいいよ。