Clásicos japoneses con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lee 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) de 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 167.105 caracteres · 337 pantallas
しかし、依然として帰ってこないのです。
不安はいよいよつのりました。いかな伝六にしても、いまだになしのつぶてという法はない。
何かあったにちがいないのです。
寝もやらず、身じろぎもせず不安と不審に首長くして待ちきっているとき、とつぜん、ばたばたと、ただならぬ足音が表の向こうから近づきました。
「伝六か!」
「…………」
「たれじゃ! 伝六か!」
「いいえ、あの、北鳥越の自身番の者でござります」
意外にも駆けこんできたのは、ゆうべ死体の始末をつけさせたあの北鳥越自身番の小者なのです。
名人の声が飛びました。
「何をあわてておるのじゃ!」
「これがあわてずにおられますか! やられました! やられました! とんだことになったんですよ!」
「死体か!」
「そうでござんす! ゆうべ五人とも盗まれたんでござんす」
「なにッ。行くえもわからぬか!」
「いいえ、それがじつに気味がわるいのでござります。ねんごろに守れとのおことばでござりましたゆえ、あれから死体を運んで帰って、つじ番小屋の中へ寝かしまして、目も放さず見張っておりましたのに、いつ盗まれたのやら、ひょいと気がつくと、五人とも亡者の姿がなくなっておりましたゆえ、にわかに騒ぎだして、八方へ手分けしながら捜したところ――」