Clásicos japoneses con furigana
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きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Lee 吸血鬼 (きゅうけつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 190.554 caracteres · 381 pantallas
偶然であったか、あるいは不可思議なる天の摂理であったか、明智の病気が、この物語りに意外な、しかもまた考え様によっては、甚だ妥当な結末を与えた。それは、いわゆる「目出度し、目出度し」ではなかったのだけれど。
ある日恒川警部が、本郷のS病院に入院中の明智小五郎を見舞った。
「もう、あれから半月ですね。しかし、何の変った事もありません。やっぱり谷山は火事場で焼け死んだのが本当でしょう。でなくて、こんなに長い間、沈黙している筈がありません」
警部も、多くの人々と同じく、谷山焼死説を信じていた。
「我々は、あの骨が谷山のものであるという、何等の確証を持ちません。探偵道には『多分そうだろう』という考え方は許されないのです。どんなさ細な疑いも見のがしてはなりません。それが非常に重大な結果をひき起すことがあるからです」
明智はベッドに仰臥したまま、肩のいたみに顔をしかめながらも、熱心にいった。
「で、僕等は警戒しているのです。畑柳家には今でも、二名の刑事が書生に化けて入り込んでいます。だが、何の変ったこともありません。倭文子さんがひどく快活になって行く外には」
警部は苦々しげにいった。