Clásicos japoneses con furigana
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ぼっちゃん
坊っちゃん
Lee 坊っちゃん (ぼっちゃん) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 88.491 caracteres · 177 pantallas
家賃は九円五拾銭だそうだ。田舎へ来て九円五拾銭払えばこんな家へはいれるなら、おれも一つ奮発して、東京から清を呼び寄せて喜ばしてやろうと思ったくらいな玄関だ。頼むと云ったら、赤シャツの弟が取次に出て来た。この弟は学校で、おれに代数と算術を教わる至って出来のわるい子だ。その癖渡りものだから、生れ付いての田舎者よりも人が悪るい。
赤シャツに逢って用事を聞いてみると、大将例の琥珀のパイプで、きな臭い烟草をふかしながら、こんな事を云った。「君が来てくれてから、前任者の時代よりも成績がよくあがって、校長も大いにいい人を得たと喜んでいるので――どうか学校でも信頼しているのだから、そのつもりで勉強していただきたい」
「へえ、そうですか、勉強って今より勉強は出来ませんが――」
「今のくらいで充分です。ただ先だってお話しした事ですね、あれを忘れずにいて下さればいいのです」
「下宿の世話なんかするものあ剣呑だという事ですか」
「そう露骨に云うと、意味もない事になるが――まあ善いさ――精神は君にもよく通じている事と思うから。そこで君が今のように出精して下されば、学校の方でも、ちゃんと見ているんだから、もう少しして都合さえつけば、待遇の事も多少はどうにかなるだろうと思うんですがね」