Clásicos japoneses con furigana
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こうふ
坑夫
Lee 坑夫 (こうふ) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 141.690 caracteres · 283 pantallas
ただ登り切って、もう一段も握る梯子がないと云う事を覚った時に、坑の中へぴたりと坐った。
「どうした。上がって来たか。途中で死にゃしねえかと思って、――あんまり長えから。見に行こうかと思ったが、一人じゃ気味がわるいからな。だけども、好く上がって来たな。えらいや」
と待ちかねて、もじもじしていた初さんが大いに喜んでくれた。何でも梯子の上でよっぽど心配していたらしい。自分はただ、
「少し気分が悪るかったから途中で休んでいました」
と答えた。
「気分が悪い? そいつあ困ったろう。途中って、梯子の途中か」
「ええ、まあそうです」
「ふうん。じゃ明日は作業もできめえ」
この一言を聞いた時、自分は糞でも食えと思った。誰が土竜の真似なんかするものかと思った。これでも美しい女に惚れられたんだと思った。坑を出れば、すぐ華厳の瀑まで行くんだと思った。そうして立派に死ぬんだと思った。最後に半時もこんな獣を相手にしていられるものかと思った。そこで、自分は初さんに向って、簡単に、
「よければ上がりましょう」
と云った。初さんは怪訝な顔をした。
「上がる? 元気だなあ」
自分は「馬鹿にするねえ、この明盲目め。