Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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こうふ

坑夫

夏目 漱石

Lee 坑夫 (こうふ) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 141.690 caracteres · 283 pantallas

Aozora Bunko

しかもその水には勾配がついている。山から落ちた勢いをなし崩しに持ち越して、追っ懸けられるように跳って来る。だから川と云うようなものの、実は幅の広い瀑を月賦に引き延ばしたくらいなものである。したがって水の少ない割には大変烈しい。鼻っ端の強い江戸ッ子のようにむやみやたらに突っかかって来る。そうして白い泡を噴いたり、青い飴のようになったり、曲ったり、くねったりして下へ流れて行く。どうも非常にやかましい。時に日はだんだん暮れてくる。仰向いて見たが、日向はどこにも見えない。ただ日の落ちた方角がぽうっと明るくなって、その明かるい空を背負ってる山だけが目立って蒼黒くなって来た。時は五月だけれども寒いもんだ。この水音だけでも夏とは思われない。まして入日を背中から浴びて、正面は陰になった山の色と来たら、――ありゃ全体何と云う色だろう。ただ形容するだけなら紫でも黒でも蒼でも構わないんだが、あの色の気持を書こうとすると駄目だ。何でもあの山が、今に動き出して、自分の頭の上へ来て、どっと圧っ被さるんじゃあるまいかと感じた。それで寒いんだろう。実際今から一時間か二時間のうちには、自分の左右前後四方八方ことごとく、あの山のような気味のわるい色になって、自分も長蔵さんも茨城県も、全く世界一色の内に裹まれてしまうに違ないと云う事を、それ