Clásicos japoneses con furigana
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こうふ
坑夫
Lee 坑夫 (こうふ) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 141.690 caracteres · 283 pantallas
すると小僧はたちまち二本とも引ったくるように受け取って、ありがとうとも何とも云わず、すぐその一本を食い始めた。この手っ取り早い行動を熟視した自分は、なるほど山から一人で下りてくるだけあって自分とは少々訳が違うなと、また感心しちまった。それとも知らぬ小僧は無我無心に芋を食っている。しかも頬張った奴を、唾液も交ぜずに、むやみに呑み下すので、咽喉が、ぐいぐいと鳴るように思われた。もう少し落ちついて食う方が楽だろうと心配するにもかかわらず、当人は、傍で見るほど苦しくはないと云わんばかりにぐいぐい食う。芋だから無論堅いもんじゃない。いくら鵜呑にしたって咽喉に傷のできっこはあるまいが、その代り咽喉がいっぱいに塞がって、芋が食道を通り越すまでは呼息の詰る恐れがある。それを小僧はいっこう苦にしない。今咽喉がぐいと動いたかと思うと、またぐいと動く。後の芋が、前の芋を追っ懸けてぐいぐい胃の腑に落ち込んで行くようだ。二本の芋は、随分大きな奴だったが、これがためたちまち見る間に無くなってしまった。そうして、小僧はついに何らの異状もなかった。自分ら三人は何にも云わずに、三方から、この小僧の芋を食うところを見ていたが、三人共、食ってしまうまで、一句も言葉を交わさなかった。