Clásicos japoneses con furigana
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ばいしょくかもなんばん
売色鴨南蛮
泉 鏡花
Lee 売色鴨南蛮 (ばいしょくかもなんばん) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 13.926 caracteres · 28 pantallas
」
「あら、随分……酷いじゃありませんか、甘谷さん、余りだよ。」
何にも知らない宗吉にも、この間違は直ぐ分った、汚いに相違ない。
「いやあ、これは、失敗、失敬、失礼。」
甘谷は立続けに叩頭をして、
「そこで、おわびに、一つ貴女の顔を剃らして頂きやしょう。いえ、自慢じゃありませんがね、昨夜ッから申す通り、野郎図体は不器用でも、勝奴ぐらいにゃ確に使えます。剃刀を持たしちゃ確です。――秦君、ちょっと奥へ行って、剃刀を借りて来たまえ。」
宗吉は、お千さんの、湯にだけは密と行っても、床屋へは行けもせず、呼ぶのも慎むべき境遇を頷きながら、お妾に剃刀を借りて戻る。……
「おっと!……ついでに金盥……気を利かして、気を利かして。」
この間に、いま何か話があったと見える。
「さあ、君、ここへ顔を出したり、一つ手際を御覧に入れないじゃ、奥さん御信用下さらない。」
「いいえ、そうじゃありませんけれどもね、私まだ、そんなでもないんですから。」
「何、御遠慮にゃあ及びません。間違った処でたかが小僧の顔でさ。……ちょうど、ほら、むく毛が生えて、子の撮食をしたようだ。」
宗吉は、可憐やゴクリと唾を呑んだ。