Clásicos japoneses con furigana
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あやかしのつづみ
夢野久作怪奇幻想傑作選 あやかしの鼓
夢野 久作
Lee 夢野久作怪奇幻想傑作選 あやかしの鼓 (あやかしのつづみ) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 76.558 caracteres · 153 pantallas
この年月二人で打っていながら一度もそのシンミリとその呪いの音をきいた事がないではありませんか。あの鼓を打ってホントの音色をお出しになるほどのお方ならば私はいつでもあの鼓をお譲りしますと……」
私は又顔を上げないわけに行かなかった。すると今度は未亡人の方が淋しい恰好で伏眼になっている。
「……そう申しますと甥が申しますには、それなら今からお手紙を差し上げよう。いま一度お運びをお願いしようと申します。そんなぶしつけなことをと申しますと、それはきっとお出で下さるにちがいない。まだあの鼓をお打ちにならないからだと申します……オホ……ほんとに失礼なことばかり……」
未亡人は赤面して私の顔を見た。私もその時急に耳まで火照って来るのを感じつつ苦笑した――モナカの事件も存じております――と云われそうな気がして……。
「けれども私もすこし考えが御座いましたので、甥に筆を執らせましてあのような手紙を差し上げさせましたので……まことに申訳……」と未亡人は頭を下げた。
「どう致しまして……」
と私もやっとの思いで初めて口を利くと慌てて袂からハンカチを出して顔を拭いた。途端に頭の上の電燈が眩しく紫色に灯もった。