Clásicos japoneses con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lee 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 104.838 caracteres · 204 pantallas
「いや、それは恐縮です、拙者こそ、あなたのような学者に、御自身案内をしていただくということが、はからざる光栄でした。明日は、扶桑第一といわれる松島も見られるし、あこがれの狩野永徳にも見参ができるし、それに東道の主人が稀代の学者であり、絶世の美――」
と言って、田山白雲が、少しあわてて口を抑えたけれども、その尻尾が少し残ったものですから、玉蕉女史を追究させました。
「絶世の――何でございますか、扶桑第一の松島や、狩野家の大名人の次へ持って来て、絶世の……だけでは罪でございますね」
玉蕉女史からからかわれて、田山白雲が、今度は額を抑えて、
「あ、は、は、は」
と声高く笑いました。玉蕉女史も、またつり込まれて無邪気に笑いました。田山白雲はそこで申しわけのように、
「全くあなたは、絶世の美人と申し上げてもお世辞ではありませんよ。実は、あなたが怖るべき才色兼備の御婦人ということは、紹介された者の口から、よく承って来たのですが、案外なのに驚かされました」
「どうせ案外でございましょう、いったい仙台は、昔の殿様が高尾を殺した祟りで、美人は生れないのだそうでございます」
「いや、違います、全く案外の、掛価なしの才色兼備なのですから――いったい世間では、身投げの婦人があれば必ず美人にしてしまい、甚しいのは首無し美人なんぞというのもあり