Clásicos japoneses con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lee 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 368.567 caracteres · 720 pantallas
そうこうしているところへ、以前の日蓮宗の坊さまが、また問題の竹藪の背後から、ゆらりゆらりと姿を現わしましたが、こんどは両の手に、すりこ木を入れた擂鉢を恭しく捧げて来たものです。
さても洒落者揃い――道庵が藪に向って供養をすれば、この坊さんも負けない気になって、これから味噌をすります――だが、この坊さんは、味噌をするにしては少し年をとり過ぎています。この年になって、味噌をすらねばならぬという悲惨の運命からは、多少とも超越してはいたようです。
四
擂粉木と擂鉢とを、件の日蓮宗派に属するお寺の坊さんが恭しく捧げて、祭壇の前へ安置した時、端坐していた道庵先生が、おもむろにそれに一瞥をくれて、
「すれましたかな」
「すれました」
道庵先生は、ちょっと中指を、擂鉢の中へ差し入れてみました。
汚ないことをする、味噌がすれたか、すれないか、それをここへ持ち出す坊さんも坊さんだが、それへ指先を突込んで、嘗めてみようとする先生も先生です。
「ははあ」
指先へつけたのを、篝火の火にかざして道庵が、ためつすがめつ眺めていますが、べつだん嘗めてみようとするのではないらしい。