Clásicos japoneses con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lee 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 368.567 caracteres · 720 pantallas
「どうして、そんなどころじゃありません、お雪ちゃんぐらいよく出来た娘さんは、全く珍しいと皆が言っています」
「この山の中では、珍しいんでしょう」
「ははは、お雪ちゃん、なかなかそらさない、そこがいいところだ」
「全くわたしはお人よしね、自分でもそう思いますけれど、強い人にはなかなかなれませんからあきらめています」
「ところがね、その人のいいところに、何ともいえぬつよみがあるのですよ、いわば犯し難いところがあるんです。たとえば、この山の中の冬ごもりでしょう、ここに集まっている者は、我々はじめ、いずれも、一かどのくせ者でしょう、御安心なさい、自分からくせ者という奴に、たいしたくせ者はありませんからね、それはそうとしても、いずれも寄り集まりの身性知らずの人間共でしょう、その中で、たった一人の、紅一点たるお雪ちゃんに対して、野心を起さないものが無いとは誰も断言できないでしょう。ところが今日まで、今後もそうでしょうが、お雪ちゃんを渇仰するものはあるけれども、ついぞ手出しをしようとした奴が無い、そこにお雪ちゃんの潔白と、純粋から来るつよみがあるのです」
「ちっとも存じませんでした、わたしにそんな強味があることを」