Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lee 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 268.946 caracteres · 520 pantallas

Aozora Bunko

蒲団を敷きかけた時に、またしても今まで静まり返っていた鷲の子が、急にけたたましいはばたきをはじめたものですから、蒲団を持ちながらハッとしました。

二十四

鷲の子のまたしても不意に、今度は以前より一層また慌しく、けたたましくはばたきをやり出したのに驚かされたのは、お雪ちゃんばかりではありません。

米友も屹となって、その時、鷲の子のはばたきのした方向よりは、ふり仰いで自分のいる天井の上を見上げたのです。

「お雪ちゃん」

「何です、米友さん」

「何か来ているぜ」

「おどかしちゃいやよ、友さん」

「おどかしじゃねえ、何か来ているんだよ、この上の方に、てんまるじゃねえかな」

と言って米友は、天井の上を屹と見上げたままです。その途端に、鷲の子のなお一層はげしいはばたきの音が、連続的に響いて来る。お雪ちゃんは、そのはばたきの音の方だけが気になるが、米友はかえって、それとは別角の天井の上を首の疲れるほどながめ、且つ耳をすましながら、

「ほら、お雪ちゃん、お聞き、この上の方で、もう一つはばたきの音がするだろう、あれ、木を食い切るような音が――」

「ほんに……」

お雪ちゃんは耳を傾けると同時に、楯を裂くような、何とも言えない強い肉声が聞えました。