Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lee 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 195.601 caracteres · 387 pantallas

Aozora Bunko

「大米屋一郎右衛門」

これはがんりきや七兵衛が、駕籠と馬のあとを追うて今朝出て行った宿屋。

「これもいけねえ」

米友は身分相応な木賃宿かなにかを求めているのだが、それに合格するのがついに見出せないで、浜松の城下をほとんど通りつくしてしまいました。

広いようで狭い浜松の町はここで尽きて、米友の身は馬込川の板橋の上に立っていました。振返ると、浜名の方に落ちた夕陽が赤々として、お城の方の森蔭にうつっています。

「ああ、今夜も野宿かな。これからまもなく天竜川の渡し、そこへ行くまでの間で、社かお寺の庇の下をお借り申さなくちゃあならねえ。それとも夜通し突っ走って、行けるところまで行こうかしら」

米友は思案しながら松並木を歩き出して、天神町の立場から畷道を、宿になりそうなところもがなと見廻しながら行くと、ほどなくやぐら新田というところあたりへ来てしまいました。

「何だい、あそこで大へんな燈火がする、御縁日でもあるのかな」

東へ向って左手の方、五六町も離れて少し小高くなったところに、大きな屋根が見えてあって、その周囲に町が立っています。

「行ってみよう」

米友はそこへ杖を枉げて、