Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lee 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 195.601 caracteres · 387 pantallas

Aozora Bunko

「気の毒だな」

「それだから忠作さん、こっちへおいで」

お絹は、そっと奥の方を気遣うこなしで、静かに立って忠作を表の方へ誘い出し、耳に口を当てるようにして、

「気の毒だけれど、あの人をああして置いて、二人で江戸へ行ってしまいましょうよ」

「ええ?」

忠作は眼をってお絹の面を見上げ、

「あんなに怪我をした人を置放しにして出かけるのかい」

「でも、いつ癒るんだか知れやしないもの」

「だって、それはおばさん、薄情というものだろう、あの人を置放しにして出かけて行ってしまうなんて」

「そうしてもいい人なんだよ、あの人はお前、本当は泥棒なんだよ」

「泥棒?」

「ああ、泥棒で悪い奴なんだから、助けない方がかえってためになるのですよ」

「だって、おばさん、お前は連れの人で、道で追剥に遭ってこんなことになったと話したじゃないか」

「それは、お前を驚かさないようにわざとそう言っておいたのよ、本当はあの人は泥棒で、入墨者といって、あの人をかくまったことが知れれば、お前もわたしも罪になるのだよ」

「どうして、おばさんはそんな人と連れになって来たの」

「それにはわけがあるんだけれど、今お前が知らせてくれた人が来るというのは、きっとお役人か何かだろうと思う、それで早く逃げなければお前もわたしも縛られてしまう」