Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Lee 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 242.044 caracteres · 477 pantallas

Aozora Bunko

壁を穿って海を発見したように、土を掘って天を見出したように、お君というものに死なれて、そこから涯と底との知れない冷たい風が、習々として吹き出したのに、米友は、恐れ、あわて、おどろき、悲しみ、憂えて、名状すべからざる奇観におちいっているのであります。

そうして、なお悲惨なのは、米友にあっては、この苦痛をまぎらかす手段のないことであります。真正面からその苦痛と戦って、直接に解決が終るまでは、一時何かの魔睡によって、その神経を眠らせておくということのできない男であります。

その夕方、伝通院の墓地にまぎれ込んだ米友は、墓地の中をあてどもなしに歩き廻って、しきりに墓を動かしてみました。

伝通院は家康の生母水野氏の廟所。そこには徳川氏累代の貴婦人の墓が多い。或いは無縫塔、或いは五輪、或いは宝篋印、高さは一丈にも二丈にも及ぶものがあって、米友の怪力を以てしても、ちょっとは動かし難いものばかりであります。

しかし、この男は、それらのいずれともつかずに、しきりにそれをゆすり試みて歩いている。その様、墓を動かして、そこから何物をか聞こうとするもののように見える。

「墓はこの世からあの世へ通ずる道の蓋である」