Clásicos japoneses con furigana
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てんぽうのひこうじゅつ
天保の飛行術
野村 胡堂
Lee 天保の飛行術 (てんぽうのひこうじゅつ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 14.024 caracteres · 28 pantallas
「白山様へ登るのだけはお止しなさいよ、悪いことは言わないだ」
「それはまた何故だえ、お神さん」
旅人の不敵な顔にも、ほのかな疑惑が動きます。
「お客様は江戸の方で、御存じないかも知れないが、白山はこの二十年越しいろいろ怪しいことがって、お留山になって居りますだよ」
「はてね」
「金沢の山役人が、山の登り口を塞いで、里の者はたった一人も近づけないばかりでなく、杣も炭焼も山は上れないだよ」
「フーム」
「白山権現様へ奉幣のお役が、年に二三度登山するだ。――その奉幣のお役人が、今日あたりは山へ入られるという話だが」
女房は葭簾の外へ出て、金沢の方へと小手をかざすのです。
「怪しいことがある――と言っただけじゃ、此処まで来て引き返すわけに行かないが、どんなことがあるんだえ、お神さん」
旅人は押して問いました。
「なんでもよく晴れた日に、白山の奥の峰から峰へ、蝙蝠が翼を拡げたような、おそろしく大きい鳥が、フワリフワリと飛び廻って居るということでがすよ、――私は見たわけじゃないが、なんでも、昔々御所刑になった、大槻伝蔵の悪霊だろうと言いますだが、――」
茶店の女房の言うのは、一応の理由がありました。