Clásicos japoneses con furigana
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ぶにんりしょうき
夫人利生記
泉 鏡花
Lee 夫人利生記 (ぶにんりしょうき) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 12.693 caracteres · 26 pantallas
寺は法華宗である。
祖師堂は典正なのが同一棟に別にあって、幽厳なる夫人の廟よりその御堂へ、細長い古畳が欄間の黒い虹を引いて続いている。……広い廊下は、霜のように冷うして、虚空蔵の森をうけて寂然としていた。
風すかしに細く開いた琴柱窓の一つから、森を離れて、松の樹の姿のいい、赤土山の峰が見えて、色が秋の日に白いのに、向越の山の根に、きらきらと一面の姿見の光るのは、遠い湖の一部である。此方の麓に薄もみじした中腹を弛く繞って、巳の字の形に一つ蜒った青い水は、町中を流るる川である。町の上には霧が掛った。その霧を抽いて、青天に聳えたのは昔の城の天守である。
聞け――時に、この虹の欄間に掛けならべた、押絵の有名な額がある。――いま天守を叙した、その城の奥々の婦人たちが丹誠を凝した細工である。
万亭応賀の作、豊国画。錦重堂板の草双紙、――その頃江戸で出版して、文庫蔵が建ったと伝うるまで世に行われた、釈迦八相倭文庫の挿画のうち、摩耶夫人の御ありさまを、絵のまま羽二重と、友染と、綾、錦、また珊瑚をさえ鏤めて肉置の押絵にした。……
浄飯王が狩の道にて――天竺、天臂城なる豪貴の長者、善覚の妹姫が、姉君矯曇弥とともに、はじめて見ゆる処より、優陀夷が結納の使者に立つ処、のちに、矯曇弥が嫉妬の処。