Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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きかいなさいかい

奇怪な再会

芥川 竜之介

Lee 奇怪な再会 (きかいなさいかい) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 20.996 caracteres · 43 pantallas

Aozora Bunko

……」

お蓮は家へ帰って来ると、白い子犬を抱いたなり、二階の寝室へ上って行った。そうして真暗な座敷の中へ、そっとこの憐れな動物を放した。犬は小さな尾を振りながら、嬉しそうにそこらを歩き廻った。それは以前飼っていた時、彼女の寝台から石畳の上へ、飛び出したのと同じ歩きぶりだった。

「おや、――」

座敷の暗いのを思い出したお蓮は、不思議そうにあたりを見廻した。するといつか天井からは、火をともした瑠璃燈が一つ、彼女の真上に吊下っていた。

「まあ、綺麗だ事。まるで昔に返ったようだねえ。」

彼女はしばらくはうっとりと、燦びやかな燈火を眺めていた。が、やがてその光に、彼女自身の姿を見ると、悲しそうに二三度頭を振った。

「私は昔の蓮じゃない。今はお蓮と云う日本人だもの。金さんも会いに来ない筈だ。けれども金さんさえ来てくれれば、――」

ふと頭を擡げたお蓮は、もう一度驚きの声を洩らした。見ると小犬のいた所には、横になった支那人が一人、四角な枕へ肘をのせながら、悠々と鴉片を燻らせている! 迫った額、長い睫毛、それから左の目尻の黒子。――すべてが金に違いなかった。のみならず彼はお蓮を見ると、やはり煙管を啣えたまま、昔の通り涼しい眼に、ちらりと微笑を浮べたではないか?