Clásicos japoneses con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
奇譚 銭形平次 「銭形平次捕物控」傑作選
野村 胡堂
Lee 奇譚 銭形平次 「銭形平次捕物控」傑作選 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 31.249 caracteres · 62 pantallas
まア見てくれ」
小助は不安と焦躁にかき廻されて、日頃の落着きを失っているらしい店の者や近所の衆をかきわけて、奥のささやかな部屋に平次を案内しました。
貧し気な調度の中に、二枚屏風を逆様にして、お君の死体は寝かしてありました。枕許には手習机を据えて、引っきりなしに香を捻っている五十男は、お君の父親で清水屋の亭主の市兵衛でしょう。
そのそばに小さくなってシクシクと泣いているのは、十六七の小娘で、眉目美わしさや、抜群の可愛らしさからみても、それはお君の妹のお吉でなければなりません。
お君の死顔は死の駭きさえも拭い去られて、世にも清らかな美しいものでした。『山の手一番』と八五郎の形容したのは、少しの誇張でもなく、血の気を失って青白くなった頬に、不思議にほんのりと桜色が残って、霞む眉も長い睫毛も玉を彫んだような柔らかい鼻筋も、美しい唇の曲線もまさにこの世のものとも覚えぬ尊い清らかさです。
死骸を少し動かして、襟のあたりをはだけて見ると、左の背――ちょうど肩胛骨の下のあたりに、小さく肉の炸裂しているのは、ここから心の臓まで、ひとえぐりにした刃物の跡でしょう。