Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

ようふんろく

妖氛録

中島 敦

Lee 妖氛録 (ようふんろく) de Nakajima Atsushi (中島 敦) en japonés con furigana. JLPT N1. Toca una palabra para ver el significado.

N1 · avanzado · kanji y kana modernos · 5005 caracteres · 11 pantallas

Aozora Bunko

こんな不祥な女が又とあるものではない。天下に美婦人は多い。何もあの女に限ったことはあるまいに。」妙な虚栄から、子反は渋々思い止まった。結局、夏姫は連尹の襄老に与えられることになった。夏姫は大人しく襄老の妻となった。此の女程、与えられたものに従順な者は無い。それでいて、何時の間にか、自らも意識することなしに、その与えられたものを狂わし、濁らして了うのである。

翌、周の定王の十年、晋・楚の大軍が※の地に戦い、楚軍は大いに敗れた。此の戦で、襄老は戦死した上、尸を敵に取られて了った。

襄老の子、黒要は既に逞しい青年である。夫の死を忘れ、父の死を忘れ、喪服を着けた夏姫と黒要とは何時か、妖しい愉しみに耽り出した。

先に、荘王と子反とを諫めた申公巫臣が、漸く夏姫に近づいて来た。老練の策謀家らしく、彼は、直ぐには夏姫を独占し触れようとしない。巫臣は莫大な黄白を散じて、彼女の故国鄭に計を施した。彼の立場として、楚国で夏姫を娶るのが無理なことは、明らかであったから。やがて、鄭から楚国に通知が来た。さきの楚の連尹、襄老の尸が晋から鄭国に送られることになったから、夏姫は鄭に来って夫の尸を迎えよ、というのである。