Clásicos japoneses con furigana
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あんごのしんにほんちり
安吾の新日本地理
Lee 安吾の新日本地理 (あんごのしんにほんちり) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 24.085 caracteres · 48 pantallas
鯨の速力が十二哩から十六哩だそうだから、十六哩でるボートは大そう楽なゲームがたのしめるそうだね。ところがミンク相手の漁にはそんな本格的なボートはいらない。たった二十五トンか三十トンのボートでタクサンなのだ。ミンクという奴がいかに子供扱いされているかお分りであろう。その中でも特に小さい奴がとれたんだが、けっこう私はおどろいたね。とにかく胴廻りの太さが違うね。上へひきあげると大口あいてドロドロした舌をダラリとだしているが、タヌキのキンタマ八畳ジキというけれども、ミンクの舌でも私のネドコになるぐらい大きいや。それにドロドロの舌からもれる臭気かしら、ひどく鯨くさいな。私が戦争中閉口したのは、この臭気であった。ミンクの肉は美味だというし、サシミには特にうまいというが、この臭気がもれてくるからには、うまい肉のほかに、くさい部分もあるのであろう。署長さんの説によると、美味不味は肉の種類に存しているが、同時にクジラをさく時の処理の仕方にもよるそうだ。完全な設備をもった大工場で処理すれば臭気はないそうで、しかし、とにかく処理が終るまでには悪臭フンプンたる内臓の臭気がたちこめ、それを嗅いだが最後、別席で、いくら美味なサシミを出されても、素人は箸をださないそうだね。