Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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あんごしたん

安吾史譚

坂口 安吾

Lee 安吾史譚 (あんごしたん) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 13.002 caracteres · 27 pantallas

Aozora Bunko

つまり負けた幕府や旗本というものは、今の日本で云うと、旧軍閥や右翼のようなものだ。軍閥や右翼は敗戦後六七年で旧態依然たるウゴメキを現しはじめたが、明治の旗本は全然復活しなかった。いち早くただの日本人になりきってしまった。海舟という偉大な総大将が復活の手蔓を全然与えなかったのだ。明治新政府の政治力によるものではなかったのである。

海舟は彼にすがる旗本たちの浅薄な輿論に巻きこまれたり担ぎ上げられたりしなかった。彼には人に担ぎ上げられるような不安定さがミジンもない。彼の理を究めた確実な目に対しては、取巻き連も取りつく島がなかった。

海舟の政治心得第一条は「高い運上(税金)は国を亡ぼす」ということだった。また「形式をはるな」ということだ。彼の目は実質的なもの、積極的なプラスでなければ取りあわないという点では精密な機械のようなものであった。ただ時代的な幼稚さに相応せざるを得ないから、そこに発した狂いはまま有るだけの話である。

こういう偉大な傑作は歴史がなければ生れない。彼を生んだものは、時代もあるし、天分でもあるが、もう一ツ彼の場合には親父があった。本篇の主人公、勝夢酔である。