Clásicos japoneses con furigana
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あんごしんにほんふどき
安吾新日本風土記
Lee 安吾新日本風土記 (あんごしんにほんふどき) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 22.916 caracteres · 46 pantallas
「私は昔は北海道から青森の方を歩いていました。これは青森の農村での話ですが、宿屋がないので農家にたのんで泊めてもらったのです。ところがたまたま農家の主人がカゼをひいているのですね。カゼをひけばねて汗をだすのが普通ですが、ここの主人は冬だというのにわざと素ッ裸になっているのです。そして背中にはドテラをひッかけましてね。炉にカッカと火を焚いて、腹を突きだしてあぶっているのです。炉には湯がたぎっているものですから、大きなドンブリにお湯をついで、これに一つかみの味噌を入れて、しきりに飲んでいるのです。カゼの療法はこれに限ると云うのですよ。私が富山の薬売りだということを知っていながら、私の薬を一服買ってのもうなぞとは全然考えないのですからね。私を目の前において、そうなんですよ」
「そんな土地でもこりずに売りに歩くわけですね」
「そうなんですよ。こういう土地ではまた特別の薬が売れましてね。彼らはドブロクを密造してガブガブ飲んでるものですから、年中腹をこわしているのです。そこで下痢どめの神薬という薬がでるのです。それと万能薬の仁丹ですね。何病気でも仁丹で治してしまうのですよ。