Clásicos japoneses con furigana
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たぬきじる
完本 たぬき汁
佐藤 垢石
Lee 完本 たぬき汁 (たぬきじる) de 佐藤 垢石 (さとうこうせき) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 133.158 caracteres · 273 pantallas
もちろん、自分の子は可愛い。しかしながら、上の二人の子供は家内にとって血を引いていない。他人である。それが私には不憫の種であった。
ところが、家内は長い年月私の疑い深い注意など、全く知らぬ風であった。平然として、五人の子供を平等に育てている。それは、心になんのわだかまりもなかったためであったのかも知れない。上の二人の子供に対しても、自分の産んだ子らに対しても、日ごろ少しの分け隔てがないのだ。
まるで平凡に、誰の眼から見ても、そこになんの区別もつかぬように叱り、賞め、呶鳴り、煽て、ただ淡々として子供同志の間に、どんな騒動が持ち上がってもそれを風のように裁き、何事も尋常茶飯の間に扱っている。
私は、家内の心が神の姿に見えた。
三
京都の姉夫婦は、次第に老いてきた。姉はみゑ子を産んだのが、それが妊娠の最後であったらしい。だから姉は、みゑ子に対する愛着が月に歳に募っているという話を、風のたよりにきいていた。佐藤の家には、千鶴子のほかに自ら産んだ子供が三人もあるのであるから、みゑ子を返したところでさびしいことはあるまいと、愚痴をちょいちょいこぼすのであると言う。