Clásicos japoneses con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lee 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 508.883 caracteres · 1017 pantallas
「小次郎どの。――小次郎どのじゃないか」
お杉はその前に迫って立っていた。顔を見あわすと、小次郎は、やあといって、初めて凄愴な青白さを、顔から捨てて笑った。
「いたのか。こんな所に。――いや、その後は、どうしたかと思うていたが」
「身を寄せている半瓦の主や若い者と、観世音へ参詣にの」
「いつであったか、そうそう、叡山でお目にかかった折、江戸へと聞いていたので、会いそうなものと思うていたが、こんな所でとは」
と、振りかえって、呆気にとられている菰やお稚児を眼でさしながら、
「では、あれが婆殿の連れの者か」
「そうじゃ。親分というお人は出来ている人間じゃが、若い者たちは、ひどくがさつ揃いでの」
ばばが小次郎と馴々しく立話しを始めたことは、衆目をそばだたせたばかりでなく、半瓦の弥次兵衛も、意外であった。
で、半瓦はそれへ来て、
「なにか唯今、乾児の者が、不作法を申しあげたらしゅうございますが」
と、丁寧に詫び、
「てまえどもも、もう帰ろうとしている所、何ならば、お急ぎの先まで、舟でお送り申しましょう」
と、すすめた。
かんな屑
一
帰りの小舟の中。
同舟という言葉があるが、ひとつ舟に身を託すとなれば、いやでもお互いに心の溶けあうものである。