Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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いえ

家

島崎 藤村

Lee 家 (いえ) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 141.411 caracteres · 285 pantallas

Aozora Bunko

弱い子供だから、お雪さんが心配すると不可。ワンワンも持たせてやりたいが、可いわ、私がまた訪ねる時にお土産に持って行かず」

三吉は眠そうな子供を姉の手から抱取った。

「坊ちゃまのお下駄はいかがいたしましょう」と老婆が言葉を添える。

「ナニ、構いませんから、新聞に包んで私の懐中へ捩込んで下さい」

こう三吉は答えて、「種ちゃん、吾家へ行くんだよ」と言い聞かせながら、子供を肩につかまらせて出た。種夫は眠そうに頭を垂れて、左右の手もだらりと下げていた。

「まあ御可愛そうに、おねむでいらッしゃる」と老婆が言った。

三吉が自分の家へ子供を運んで置いて、復た電車で引返して来た頃は、半鐘が烈しく鳴り響いていた。細い路地や往来は人で埋まった。お仙が居なく成ったというさえあるに、加に火事とは。三吉は仰天して了った。火は正太の家から半町ほどしか離れていなかった。

「これはまあ何という事だ」

というお種の言葉を聞捨てて、三吉は二階へ駆上った。続いてお種も上って来た。

雨戸を開けて見ると、燃え上る河岸の土蔵の火は姉弟の眼に凄じく映った。どうやら、一軒で済むらしい。見ているうちに、すこし下火に成る。