Clásicos japoneses con furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Lee 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) de 小出 楢重 (こいでならしげ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 334.351 caracteres · 657 pantallas
鹿はその上に乗りかかって両足で敲いているのだった。大勢のものが駆けつけたので鹿は去ったが、その家族は遊びをやめて帰ってしまった。その後老婆は発熱して四、五日寝たということだった。
ある朝、私が顔を洗っていると宿の人が呼びに来た。今、鹿が産気づいています。早く見に来なさいというのだ。私は産というものは一切見たことがなかったので、早速見物に出かけると鹿は近くの馬酔木のかげへ寝て、眼に苦悩を表していた。なるほどその腹は波を打っていた。
およそ二〇分ばかりすると、鹿は急激に立ち上がって四つの足をふん張った。すると何か透明な水がさっと一升程も飛んだかと思うと、やがて黒い風呂敷包みの如きものがどさりと草の上へ転がったものである。鹿はその風呂敷を丁寧に食べてしまうと、その中からもっとも新鮮にして小さな鹿が現れ、その斑点はことに鮮明で美しく、ぱっちりと眼を開いて珍しい新緑の世界を眺めるのだった。
私が不思議に打たれてぼんやりとしているうちに、子鹿はヒョッコリと立ち上がり、親の後ろへ従って早くも歩いて行くのである。
私はその簡単さに驚いた。春日神社へ行くと安産のお守を売っているがなるほどと私は感づいた。