Clásicos japoneses con furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Lee 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) de 小出 楢重 (こいでならしげ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 334.351 caracteres · 657 pantallas
新らしき女性に健康が第一の条件であらねばならぬ事は当然である。
あるアメリカ人が古道具屋で観音様を買って持ち帰ると直ぐ石鹸でその垢を洗い落して、おお美しき仏像よといったそうだが、それはあらゆる近代に応用すべき尖端のコツであるかも知れない。
だが日本は、古くより雅味、茶気、俳味、古雅、仙骨、埃を礼讃した国民であり、折角作り出した塑像を縁の下の土に埋め、石燈籠を数年間雨に打たせて苔を生ぜしめる趣味の特産地なのである。
伊予へ私が旅した時、もう海を一つ越えると文化、尖端とは何処の国の言葉かとさえ思われる静寂さだった。ある暗い旧家では私の友人の父は、息子からもらったという竹籠を、彼の鼻の脂を朝夕に塗り込んで十年間磨きつづけて漆の光沢を作ったといって、戸棚から大切そうに取り出した。
自家用の自動車を老人が鼻の脂で十年間磨いたら、さぞ雅致あるハドソンが現れるだろうと思われる。自動車こそは女性のパラソルの流行とその形の変化と同じく一年で変形する。古きを捨てて新らしきを知るものである。だが、その日進月歩文明開化の尖端風景の世の中を、十幾年以前の優秀車が主人の鼻の脂で輝きつついとも珍型となって大都会を走る事は、また新鋭的な雅味をもたらすであろうと思う。