Clásicos japoneses con furigana
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やまのじんせい
山の人生
柳田 国男
Lee 山の人生 (やまのじんせい) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 116.022 caracteres · 226 pantallas
普通の赤ん坊ならば無論活きているはずはないのだが、島の人々は或いは父方に引き取って、養育しているもののごとく考えていたものらしい。前後の状況は甚だしく相違するが、とにかくにこれも一種の神隠しではあった。
日向南部の米良山の中にも、入って働いている女の不時に睡くなるというところがあった。そういう際にはよく姙娠することがあって、これを蛇の所業のごとく信ずる者もあったという。現に近年も某氏の夫人、春の頃に蕨を採りに往ってその事があったので、もしや蛇の子ではないかと思って、産をしてしまうまで一通りならぬ心痛をしたそうである。古い書物に巨人の跡を踏み、或いは玄鳥の卵を呑んで感じて身ごもることありと記したのも、多分はこういう事情を意味したものであろう。気高い若人が夜深く訪ねてきたという類の話にも、最初に渓川の流に物を洗いに降りて、美しい丹塗りの箭が川上から泛んできたのを、拾うて還って床の側に立てて置いたという例があるのを見ると、また異常なる感動をもって、母となる予告のごとく解していた、昔の人の心持が察せられる。ただ村民の信仰がおいおいに荒んできてこういう奇瑞の示された場合にも、怖畏の情ばかり独り盛んで、とかくに生まれる子を粗末にした。