Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
やまつばき
山椿
山本 周五郎
Lee 山椿 (やまつばき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 15.911 caracteres · 32 pantallas
――屈辱と怒りのために頭が痺れ、足が震えた、自分を醜い唾棄すべき者のように思う反面、不当な侮辱に対する怒りが抑えようもなく燃え上った。なにがいけないんだ、どこにこんな扱いを受ける理由があるんだ、いったい、然し主馬は恟として振返った。彼はまだ襖の前に立っていたが、部屋の中でなにか物音がするのを聞いたのである。それはしずかに、箪笥をあける音のようだった、じっと耳を澄ますと異様なけはいが感じられた、彼はすぐ襖をひきあけた。
きぬは夜具の上に坐り、懐剣を抜いたところだった。襖のあく音を聞くなり、彼女はそれを逆手に持って胸を刺そうとした、然し主馬はその肱を掴み、烈しく捻じ上げながら懐剣を奪った。きぬは別に反抗しなかった、寧ろ冷やかなくらいおちついていた。主馬は掴んだ肱ごとぐいときぬを向き直らせ、「訳を聞こう」と低く叫んだ。
「生きてはいられないのでございます、今お止め下さいましても、明日、明後日、――いつかは、どうしてもこの身の始末を致さなければ……」
「それが梶井の家名を汚すと承知のうえでか、私の一生がめちゃめちゃになるのを承知のうえでか、――いや、おまえにはそんな権利はない」