Clásicos japoneses con furigana
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さんけいにいくるひとびと
山谿に生くる人々
葉山 嘉樹
Lee 山谿に生くる人々 (さんけいにいくるひとびと) de 葉山 嘉樹 (はやまよしき) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 33.699 caracteres · 67 pantallas
そして、いつもその石の落ちた場所には、緑屋の一人娘の、みづほという、二十一になる愛らしい子が、裁縫をしているのだった。
だが、その最初の無作法な石の訪問の時には、みづほは炊事場の方へ行っていたので、人間には何の被害もなかった。
その時は、百方、謝罪して、損害を弁償することで勘弁してもらったのだった。
今度はそうは行かなかった。一つの石や、一つの岩ではなく、相手が山であった。
六月の初めだった。
早朝、仕事のかかりにはまだ寒かったので、焚火をして当った。
緑屋の上の切り取りは、今ではもう四五十尺も、山の臓腑が白く高く聳えていた。
その切り取りの断崖の上に、畳二畳敷位の玉石が、載っかっていた。玉石といっても、数十年かまたは数百年か、そこにじっとして坐っていたものだから、草だの灌木だのが、その上に生い茂り、苔むしていた。そして、それが、下の山を形造っている岩磐の露頭か、または独立した玉石であるか、という事は、一目瞭然とはいかなかった。
どちらも「神様」を以て任じている、二人の坑夫の間でさえ、「露頭だ」「いや玉石だ」という風に意見を異にした位であった。