Clásicos japoneses con furigana
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ばけものばなし
岸田劉生随筆集
岸田 劉生
Lee 岸田劉生随筆集 (ばけものばなし) de 岸田 劉生 (きしだりゅうせい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 15.344 caracteres · 30 pantallas
例の『四谷怪談』では御岩様の幽霊は概念的作品であまり凄くない。凄くしようという意図の方が凄さの実想より先に見えるからだが、その中にただ、盥の中から青白い手の出るところがある。これはちょっと怪の感じが出ている、『四谷怪談』中の唯一の怪味であろう。『源平布引の滝』で女が腕を生んだといって、青白い腕がしきりに活躍する芝居があるがあれもちょっとグロテスクだ。こういう風に、日本の妖怪には切りはなされた肢体を非常に実想的にとりあつかってある。これらも「病的感」「不具感」である。
ともかくも日本妖怪の味は概して、生々とした、病的感、癈頽した生きものの感じを持つ、或るものは癩病を思い出すように鼻などがなくつるりとしている。これは全くきみ悪い感じである。一つ目小僧などは正にその一つであろう。
挿絵
また、のっぺらぼう、またはぞべらと呼ばれるところの妖怪がある。或る時は非常に美しい御姫様または奥女中風の後姿をしているが、それがふとふり向くと目も鼻も口も何もない、顔をしている。その風姿は必ずしもきまってはいないが、ともかくも顔の道具をすべて持たない妖怪であるが、これらも一種の奇形感、病気感、を持っている。