Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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さこんのいかり

左近の怒り

坂口 安吾

Lee 左近の怒り (さこんのいかり) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 47.454 caracteres · 95 pantallas

Aozora Bunko

たまりかねて住田嘉久馬に面会を求めたけれども、居所が分らぬという返事である。住田の事務所へ押しかけて行ったが、ここでも居所不明という返事にすっかり腹を立てて、

「明日は自分らで再校して紙型をとっちまうんだ。遊んでたんじゃ商売になりゃしない。明日から出動だぜ」

と一同に云いのこして去った。それから葉子が夕食をこしらえる。三人で食事を終えてから葉子はタコスケの家へ帰るのだ。なぜなら、一件以来、葉子はタコスケの家へ泊ることになったからだ。

葉子らと入れちがいに顔をだしたのは葉子の兄の洋次郎であった。

「キミにたのみがあって来たんだけど、キミ、海へ戻ってくれないかなア」

左近に顔を見つめられると、彼は困って、うちしおれた。

「キミが東京にいると、困ったことになるんだよ。ボクは脅迫されてるんだ。キミを海へ帰しゃいいんだよ。さもないと、次から次へもっと困ったことを脅迫されるのでね。妹の身にも危険が及ぶかも知れない。キミさえ東京から立ち去れば、万事すむんだよ」

「ワケがわからないね」

「ワケなんかわかってくれない方がいいんだよ。ボクにもワケはわからないが、この命令はのッぴきならぬものなんだ」