Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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へいぼん

平凡・私は懐疑派だ

二葉亭 四迷

Lee 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) de 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 81.548 caracteres · 161 pantallas

Aozora Bunko

一体小説が好きで、国に居る時分から軍記物や仇討物は耽読していたが、まだ人情本という面白い物の有ることを知らなかった。これの知り初めが即ち此春色梅暦で、神田に下宿している友達の処から、松陰伝と一緒に借りて来て始て読んだが、非常に面白かった。此梅暦に拠ると、斯ういう場合に男の言うべき文句がある。何でも貴嬢は浦山敷思わないかとか、何とか、ヒョイと軽く戯談を言って水を向けるのだ。思切って私も一つ言って見ようか知ら……と思ったが、何だか、どうも……ソノ極りが悪い。

「大変立派なお支度よ。何でもね、箪笥が四棹行くンですって。それからね、まだ長持だの、挟箱だの……」

ああ、もう駄目だ。長持や挟箱の話になっちゃ大事去った、と後悔しても最う追付かない。雪江さんは、何処が面白いのだか、その長持や挟箱の話に夢中になって了って、其から其と話し続けて、盛返したくも盛返す隙がない。仕方が無いから、今に又機会も有ろうと、雪江さんの話は浮の空に聞いて、只管其機会を待っていると、忽ちガラッと障子が開いて、

「あら、おたのしみ! ……」

吃驚して振反ると、下女の松めが何時戻ったのか、見ともない面を罅裂そうに莞爾つかせて立ってやがる。