Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

ふくいんさつじんじけん

復員殺人事件

坂口 安吾

Lee 復員殺人事件 (ふくいんさつじんじけん) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 96.621 caracteres · 195 pantallas

Aozora Bunko

大矢捜査主任は大きな驚愕を隠さなかった。

「犯人を知っているって? 安彦氏が。ほんとですか。犯人は誰です?」

「それが、まだ、分らないのですよ」

巨勢博士はニヤニヤした。

「犯人を知っているだろうと思われるワケがあるのです。安彦氏は応召の前夜、昭和十七年の日記帳をていねいに紙に包んで封じたものを、妹の美津子さんに、ひそかに渡したのです。自分が戦死したら、中をあけて見るようにと申し残しましてね。ところで、包み紙の表紙に、マルコ伝第八章二十四と大きな字でハッキリ書いてあったというのです。マルコ伝第八章二十四と申しますのが、つまり、人を見る、それは樹の如きものの歩くが見ゆ、という文句なんですがね。そこで、犯人を見た、という謎じゃないかというわけなんですが、この日記帳が、昭和十九年末の疎開に当って、美津子さんが机のヒキダシをあけてみたら、紛失していることが分ったというのです」

大矢捜査主任は異常な熱心さで、きゝいっていた。然し、一言も、発しなかった。巨勢博士が、にわかに笑いだした。

「大矢さん。そろそろ、種を明かして下さいませんか。僕に……お喋りさせるなんて、罪ですぜ。